【公式】別邸 福の花 浜松町 > ブログ > 2017年

「山口地酒の会」特集十九〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸福の花です。 「長門峡(ちょうもんきょう)」、これから当ブログのテーマになる言葉です。山口県を代表する観光地であると同時に、山口県産日本酒の銘柄でもあります。お酒の話の前に、まずは名前の方からひも解いてみましょう。 県中央付近の山口市から日本海に面する萩市、この2つの市境にある渓谷が長門峡です。春夏は川の流れと渓谷の緑色を求めてお客さんが立ち寄り、秋は紅葉を目当てにカメラを持った人々が集います。冬は雪化粧した姿を見せてくれます。 そんな自然公園から車で40分ほど。県北部を流れる阿武川の流域に、今回の主人公「長門峡」を作る「㈲岡崎酒造場」はあります。大正13年の創業で、年間生産量は600石。長門峡は9割が地元で消費されるため、県外で味わえる機会はそんなに多くないそうです。 日本酒以外にも取り扱うのは、当店の定番メニューでも取り扱う果実酒。日本初の日本酒リキュールです。名...

「山口地酒の会」特集十八〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸福の花です。 日本酒作りに大切なものって何でしょう。 酒米、麹、職人の技術、その味を愛し販売してくれる業界関係者、そしてお客様 あげてみるとたくさん出てきますが、今回はその中で「水」を考えてみたいと思います。 今回の主人公、「八千代」を作る八千代酒造の周辺には、阿武川という川が流れています。昔から、この川の水の恩恵を受けて酒作りをしてきました。上流には阿武川ダムがある、山口県北部を流れる二級水系です。 日本酒の成分の内、8割以上をしめるのが水。その質によって味に変化が生じます。 それでは、酒作りに適した水、「仕込み水」はどんなものでしょうか。 まずは適していない場合から。成分によっては、日本酒の「色」に影響を与えます。無色透明が求められる日本酒なので、着色は原則、許されません。茶褐色にする鉄、混濁を生じさせる銅など。熟成中の着色を進めてしまうのがマンガンです。 一...

「山口地酒の会」特集十七〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸 福の花です。 八千代の商品ラインナップを見てみると、「にごり酒」というのがあります。 他の無色透明な日本酒と比べて、遠目からでもわかる白く「にごった」お酒は、他の商品とどんなところが違うのでしょう。今回はそんな「にごり酒」のお話しです。 「おり」 にごり酒を語る上で、とっても大切なワードです。漢字では「澱」と書きます。 段階仕込みのところでお話をしましたが、日本酒は醪(もろみ)を搾る作業があります。この時、目の粗い袋を使って搾ると、醪のなかにある白濁した部分が搾ったお酒の中に含まれます。この白濁の正体が「おり」で、にごり酒の特徴である、白色はおりを多く含ませることで誕生します。 それでは、「おり」とは何でしょうか。 これは、日本酒の原料でありお米・米麹や酵母などで、普通の日本酒よりも米の味を強く感じることができます。しばらく置いておくと、おりは沈殿してしまうので、...

「山口地酒の会」特集十六〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸 福の花です。 八千代の商品ラインナップには、「桜のしずく」という商品があります。 山口県産のさくら酵母を使った一本は、桜を思わせる華やかな香りが特徴的。軽快ですっきりとした味わいは、様々な温度帯、食中酒としても最適です。 そんな山口県産のさくら酵母を誕生させたのが、山口県酒造組合と宇部高専。酒業界からは、酒井酒造が手をあげ、3者によって開発が進められたそうです。 「桜の花から酵母を手に入れることはできないか?」 そんな疑問から始まった酵母作りですが、その背景には酒造組合が抱いていたある不安がありました。それが、「お酒の多様化」です。日本酒だけでなく、ビールなどその他のお酒、食べ物も、海外からの洋食文化の発展もありました。消費者の趣向に合わせた多様性が、日本酒にも求められる時代に変化してきました。 そんな組合の思いに応えたのが宇部高専でした。教授と学生たちが大量...

「山口地酒の会」特集十五〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸福の花です。 山田錦(兵庫県)、雄町(岡山県)、ここまで酒米を紹介してきました。今回は遂に山口県の酒米が登場します。その名は、「西都の雫」です。 「穀良都(こくりょうみやこ)」、山口県でかつて栽培されていた優秀な酒米の名前です。西都の雫は、この酒米がルーツです。しかし、1メートルをこえる背丈を持つので、倒れてしまい病気になりやすいこと。そこから安定供給が難しいことが重なり、次第に農家が栽培の手を引いてしまいます。 [caption id="attachment_554" align="alignnone" width="300"] SONY DSC[/caption] 「山口県のオリジナル酒米」を作りたい、そんな農家と研究者の思いが重なり、穀良都を親に持つ酒米作りが始まりました。 倒れやすさなどを克服し、商標登録されたのが2004年。農業試験場の所在地である山口市がか...

「山口地酒の会」特集十四〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸福の花です。 前回からスタートしました「八千代」編。 最初は、八千代の持ち味である「四段仕込み」からはじめたいと思います。これは、「段仕込み」という製法のことを言います。 日本酒が出来上がる工程の中に、「醪(もろみ)を絞る」作業があります。醪は、酒米と水を合わせて発酵させた、お酒の元となる大切なもの。段仕込みは、醪を作る段階で、その元である酒母に麹と蒸米を複数の段階で加えていくことを呼びます。 [caption id="attachment_551" align="alignnone" width="300"] SONY DSC[/caption] そんな「醪つくり」の作業は3段階。なので基本は「三段階仕込み」と呼ぶのでしょう。各工程の作業は、「初添え」「仲添え」「留添え」と呼ばれます。 「初添え」は酵母の数を増やしていく段階です。 「仲添え」ではさらに発酵を進めます...

「山口地酒の会」特集十三〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸 福の花です。 今回の「萩の陣」では3種類の日本酒銘柄をご用意させていただきます。 その1つが「八千代」です。この記事からは八千代編。前回までの東洋美人同様、銘柄のことを少しでも知っていただける手助けになるよう、調べていきたいと思います。 「八千代」を作る会社は、「八千代酒造合名会社」といいます。 明治20年創業の同社は、萩市の山里で酒米「山田錦」を栽培しています。周囲にたくさんの山々が連なる豊かな自然の中、飲む人が心和む優しいお酒を生み出し続けてきました。 商品は大吟醸酒、吟醸酒、蔵出し原酒から上撰、特選酒、八千代の持ち味である四段階仕込みの酒など様々。これらの種類は、この後の記事で紹介する予定です。 他にも、山口県の新しい酒米、「西都の雫」を使った日本酒も作っています。今案では山田錦など、有名な酒米を紹介してきましたが、今回はどんな酒米なんでしょう。どんな発見...

「山口地酒の会」特集十二〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸 福の花です。 早いもので、東洋美人のお話しも今回が最後になります。 そんな9本目は、この日本酒を作り、販売をしている「澄川酒造場」の社長にして杜氏の澄川社長について調べてみました。 「命を削る酒つくり」、同社の跡取り息子として生まれた澄川さんが大切にしている、酒作りへの思いです。地元萩市の高校を卒業後、醸造技術を学ぶため東京農業大学へ進学。学生時代の授業で蔵を訪ねた時、酒作りに加えて、零細酒蔵を何としてでも守り発展させようようとする姿を見て、後を継ぐ断固たる意思が固まったそうです。 地方の不利な販売環境を脱するため選んだのが、自身が学生時代をすごした東京への販路拡大。どこでも買える酒ではなく、ブランド力の向上を目指して、卸先を特約店に限定。スーパーやデパートなどの棚には並べない流通ルート作りを行いました。 商品の質や味を求める消費者の増加など追い風が吹き、全国...

「山口地酒の会」特集十一〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸 福の花です。 「東洋美人」をテーマに書くのも8本目になりました。突然ですが、皆様は日本酒を飲む時、どのような飲み方をするでしょうか? 底面に渦巻きが描かれた、定番のおちょこで熱燗を飲んだり。 透明なグラスで冷酒を注いで、清涼感たっぷりな雰囲気で飲んでみたり。 そんな飲み方に新しい方法が生まれてきています。それが、ワイングラス。 「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」というイベントが開催され、ワイングラスと日本酒の相性が良いと認知され始めているようです。 ところで、あの丸みを帯びた形のワイングラス。あの形状にはどんな意味があるのでしょう。どうやら、4種類の美部に分かれているそうです。ちょっと、ワイングラスをイメージして続きを読んでいただけると幸いです。 口が直接つく部分の名称は「リム」。ここの直径は底の部分よりも小さいと、ワインの香りをより長く留めておくこ...

「山口地酒の会」特集十〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸 福の花です。 今回紹介中の「東洋美人」。前の会で書いたように、酒米は有名な「山田錦」を使っています。でも調べてみると、他の酒米も登場します。 それが、「雄町」という酒米です。読み方は、「おまち」で、主な産地は岡山県です。山田錦などと共に、4大酒米に数えられます。 160センチの背丈を誇るこの酒米は、倒れやすく病気に弱いことから、「幻の酒米」と呼ばれた時期もあったそう。作付面積3ヘクタールだった昭和48年から、550ヘクタール程度まで広がったのは平成27年のこと。その背景には、県全体で取り組んだ作付面積拡大の動きがあったそう。 比較的災害が少なく、温暖な気候も手伝い、栽培に適していたのが岡山県。今では生産の95パーセントが同県産です。純国産で最古の純血種である雄町は、安政6年(1859年)に地元の農家が発見。明治時代に県の推奨品種に採用され、昭和初期には、「品評...

最新のブログ

アーカイブ

やまぐち山海の恵み
別邸 福の花 浜松町店

《営業時間》
月~金
ランチ 11:30~14:15
ディナー 17:00~22:00