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「山口地酒の会」特集十八〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸福の花です。 日本酒作りに大切なものって何でしょう。 酒米、麹、職人の技術、その味を愛し販売してくれる業界関係者、そしてお客様 あげてみるとたくさん出てきますが、今回はその中で「水」を考えてみたいと思います。 今回の主人公、「八千代」を作る八千代酒造の周辺には、阿武川という川が流れています。昔から、この川の水の恩恵を受けて酒作りをしてきました。上流には阿武川ダムがある、山口県北部を流れる二級水系です。 日本酒の成分の内、8割以上をしめるのが水。その質によって味に変化が生じます。 それでは、酒作りに適した水、「仕込み水」はどんなものでしょうか。 まずは適していない場合から。成分によっては、日本酒の「色」に影響を与えます。無色透明が求められる日本酒なので、着色は原則、許されません。茶褐色にする鉄、混濁を生じさせる銅など。熟成中の着色を進めてしまうのがマンガンです。 一...

「山口地酒の会」特集十七〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸 福の花です。 八千代の商品ラインナップを見てみると、「にごり酒」というのがあります。 他の無色透明な日本酒と比べて、遠目からでもわかる白く「にごった」お酒は、他の商品とどんなところが違うのでしょう。今回はそんな「にごり酒」のお話しです。 「おり」 にごり酒を語る上で、とっても大切なワードです。漢字では「澱」と書きます。 段階仕込みのところでお話をしましたが、日本酒は醪(もろみ)を搾る作業があります。この時、目の粗い袋を使って搾ると、醪のなかにある白濁した部分が搾ったお酒の中に含まれます。この白濁の正体が「おり」で、にごり酒の特徴である、白色はおりを多く含ませることで誕生します。 それでは、「おり」とは何でしょうか。 これは、日本酒の原料でありお米・米麹や酵母などで、普通の日本酒よりも米の味を強く感じることができます。しばらく置いておくと、おりは沈殿してしまうので、...

「山口地酒の会」特集十六〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸 福の花です。 八千代の商品ラインナップには、「桜のしずく」という商品があります。 山口県産のさくら酵母を使った一本は、桜を思わせる華やかな香りが特徴的。軽快ですっきりとした味わいは、様々な温度帯、食中酒としても最適です。 そんな山口県産のさくら酵母を誕生させたのが、山口県酒造組合と宇部高専。酒業界からは、酒井酒造が手をあげ、3者によって開発が進められたそうです。 「桜の花から酵母を手に入れることはできないか?」 そんな疑問から始まった酵母作りですが、その背景には酒造組合が抱いていたある不安がありました。それが、「お酒の多様化」です。日本酒だけでなく、ビールなどその他のお酒、食べ物も、海外からの洋食文化の発展もありました。消費者の趣向に合わせた多様性が、日本酒にも求められる時代に変化してきました。 そんな組合の思いに応えたのが宇部高専でした。教授と学生たちが大量...

「山口地酒の会」特集十五〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸福の花です。 山田錦(兵庫県)、雄町(岡山県)、ここまで酒米を紹介してきました。今回は遂に山口県の酒米が登場します。その名は、「西都の雫」です。 「穀良都(こくりょうみやこ)」、山口県でかつて栽培されていた優秀な酒米の名前です。西都の雫は、この酒米がルーツです。しかし、1メートルをこえる背丈を持つので、倒れてしまい病気になりやすいこと。そこから安定供給が難しいことが重なり、次第に農家が栽培の手を引いてしまいます。 [caption id="attachment_554" align="alignnone" width="300"] SONY DSC[/caption] 「山口県のオリジナル酒米」を作りたい、そんな農家と研究者の思いが重なり、穀良都を親に持つ酒米作りが始まりました。 倒れやすさなどを克服し、商標登録されたのが2004年。農業試験場の所在地である山口市がか...

「山口地酒の会」特集十四〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸福の花です。 前回からスタートしました「八千代」編。 最初は、八千代の持ち味である「四段仕込み」からはじめたいと思います。これは、「段仕込み」という製法のことを言います。 日本酒が出来上がる工程の中に、「醪(もろみ)を絞る」作業があります。醪は、酒米と水を合わせて発酵させた、お酒の元となる大切なもの。段仕込みは、醪を作る段階で、その元である酒母に麹と蒸米を複数の段階で加えていくことを呼びます。 [caption id="attachment_551" align="alignnone" width="300"] SONY DSC[/caption] そんな「醪つくり」の作業は3段階。なので基本は「三段階仕込み」と呼ぶのでしょう。各工程の作業は、「初添え」「仲添え」「留添え」と呼ばれます。 「初添え」は酵母の数を増やしていく段階です。 「仲添え」ではさらに発酵を進めます...

「山口地酒の会」特集十三〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸 福の花です。 今回の「萩の陣」では3種類の日本酒銘柄をご用意させていただきます。 その1つが「八千代」です。この記事からは八千代編。前回までの東洋美人同様、銘柄のことを少しでも知っていただける手助けになるよう、調べていきたいと思います。 「八千代」を作る会社は、「八千代酒造合名会社」といいます。 明治20年創業の同社は、萩市の山里で酒米「山田錦」を栽培しています。周囲にたくさんの山々が連なる豊かな自然の中、飲む人が心和む優しいお酒を生み出し続けてきました。 商品は大吟醸酒、吟醸酒、蔵出し原酒から上撰、特選酒、八千代の持ち味である四段階仕込みの酒など様々。これらの種類は、この後の記事で紹介する予定です。 他にも、山口県の新しい酒米、「西都の雫」を使った日本酒も作っています。今案では山田錦など、有名な酒米を紹介してきましたが、今回はどんな酒米なんでしょう。どんな発見...

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