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「山口地酒の会」特集十五〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸福の花です。 山田錦(兵庫県)、雄町(岡山県)、ここまで酒米を紹介してきました。今回は遂に山口県の酒米が登場します。その名は、「西都の雫」です。 「穀良都(こくりょうみやこ)」、山口県でかつて栽培されていた優秀な酒米の名前です。西都の雫は、この酒米がルーツです。しかし、1メートルをこえる背丈を持つので、倒れてしまい病気になりやすいこと。そこから安定供給が難しいことが重なり、次第に農家が栽培の手を引いてしまいます。 [caption id="attachment_554" align="alignnone" width="300"] SONY DSC[/caption] 「山口県のオリジナル酒米」を作りたい、そんな農家と研究者の思いが重なり、穀良都を親に持つ酒米作りが始まりました。 倒れやすさなどを克服し、商標登録されたのが2004年。農業試験場の所在地である山口市がか...

「山口地酒の会」特集十四〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸福の花です。 前回からスタートしました「八千代」編。 最初は、八千代の持ち味である「四段仕込み」からはじめたいと思います。これは、「段仕込み」という製法のことを言います。 日本酒が出来上がる工程の中に、「醪(もろみ)を絞る」作業があります。醪は、酒米と水を合わせて発酵させた、お酒の元となる大切なもの。段仕込みは、醪を作る段階で、その元である酒母に麹と蒸米を複数の段階で加えていくことを呼びます。 [caption id="attachment_551" align="alignnone" width="300"] SONY DSC[/caption] そんな「醪つくり」の作業は3段階。なので基本は「三段階仕込み」と呼ぶのでしょう。各工程の作業は、「初添え」「仲添え」「留添え」と呼ばれます。 「初添え」は酵母の数を増やしていく段階です。 「仲添え」ではさらに発酵を進めます...

「山口地酒の会」特集十三〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸 福の花です。 今回の「萩の陣」では3種類の日本酒銘柄をご用意させていただきます。 その1つが「八千代」です。この記事からは八千代編。前回までの東洋美人同様、銘柄のことを少しでも知っていただける手助けになるよう、調べていきたいと思います。 「八千代」を作る会社は、「八千代酒造合名会社」といいます。 明治20年創業の同社は、萩市の山里で酒米「山田錦」を栽培しています。周囲にたくさんの山々が連なる豊かな自然の中、飲む人が心和む優しいお酒を生み出し続けてきました。 商品は大吟醸酒、吟醸酒、蔵出し原酒から上撰、特選酒、八千代の持ち味である四段階仕込みの酒など様々。これらの種類は、この後の記事で紹介する予定です。 他にも、山口県の新しい酒米、「西都の雫」を使った日本酒も作っています。今案では山田錦など、有名な酒米を紹介してきましたが、今回はどんな酒米なんでしょう。どんな発見...

「山口地酒の会」特集十二〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸 福の花です。 早いもので、東洋美人のお話しも今回が最後になります。 そんな9本目は、この日本酒を作り、販売をしている「澄川酒造場」の社長にして杜氏の澄川社長について調べてみました。 「命を削る酒つくり」、同社の跡取り息子として生まれた澄川さんが大切にしている、酒作りへの思いです。地元萩市の高校を卒業後、醸造技術を学ぶため東京農業大学へ進学。学生時代の授業で蔵を訪ねた時、酒作りに加えて、零細酒蔵を何としてでも守り発展させようようとする姿を見て、後を継ぐ断固たる意思が固まったそうです。 地方の不利な販売環境を脱するため選んだのが、自身が学生時代をすごした東京への販路拡大。どこでも買える酒ではなく、ブランド力の向上を目指して、卸先を特約店に限定。スーパーやデパートなどの棚には並べない流通ルート作りを行いました。 商品の質や味を求める消費者の増加など追い風が吹き、全国...

「山口地酒の会」特集十一〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸 福の花です。 「東洋美人」をテーマに書くのも8本目になりました。突然ですが、皆様は日本酒を飲む時、どのような飲み方をするでしょうか? 底面に渦巻きが描かれた、定番のおちょこで熱燗を飲んだり。 透明なグラスで冷酒を注いで、清涼感たっぷりな雰囲気で飲んでみたり。 そんな飲み方に新しい方法が生まれてきています。それが、ワイングラス。 「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」というイベントが開催され、ワイングラスと日本酒の相性が良いと認知され始めているようです。 ところで、あの丸みを帯びた形のワイングラス。あの形状にはどんな意味があるのでしょう。どうやら、4種類の美部に分かれているそうです。ちょっと、ワイングラスをイメージして続きを読んでいただけると幸いです。 口が直接つく部分の名称は「リム」。ここの直径は底の部分よりも小さいと、ワインの香りをより長く留めておくこ...

「山口地酒の会」特集十〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸 福の花です。 今回紹介中の「東洋美人」。前の会で書いたように、酒米は有名な「山田錦」を使っています。でも調べてみると、他の酒米も登場します。 それが、「雄町」という酒米です。読み方は、「おまち」で、主な産地は岡山県です。山田錦などと共に、4大酒米に数えられます。 160センチの背丈を誇るこの酒米は、倒れやすく病気に弱いことから、「幻の酒米」と呼ばれた時期もあったそう。作付面積3ヘクタールだった昭和48年から、550ヘクタール程度まで広がったのは平成27年のこと。その背景には、県全体で取り組んだ作付面積拡大の動きがあったそう。 比較的災害が少なく、温暖な気候も手伝い、栽培に適していたのが岡山県。今では生産の95パーセントが同県産です。純国産で最古の純血種である雄町は、安政6年(1859年)に地元の農家が発見。明治時代に県の推奨品種に採用され、昭和初期には、「品評...

「山口地酒の会」特集⑨〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸 福の花です。 突然ですが皆様は、辛いものはお好きでしょうか。 私は昔は好きだったのですが、最近はあまり食べられなくなっています。 「辛い」から入る東洋美人のお話。今回は「大辛口」を紹介します。 東洋美人シリーズは甘みのある味わいが特徴です。その中で際立つ「大辛口」の3文字です。 磨きは55パーセントの純米吟醸で、お米の旨みを感じられる一杯です。 日本酒が辛口か否かは、「日本酒度」という数値で測ることができます。日本酒の比重を表すために作られた単位で、酒に含まれる糖度を算出し、辛口甘口を判断する目安にするそう。 -1.4~+1.4=普通 +1.5~+3.4=やや辛口 +3.5~+5.9=辛口 +6.0以上=大辛口 日本酒度計という特殊な機器で測るこの数値。「東洋美人 大辛口」は6.0以上あるのですね。 ちなみに「辛さ」というより、「甘くない」という表現が適切と...

「山口地酒の会」特集⑧〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸 福の花です。前回に続いて、「ippo」のお話。 「同志」 全国から集まり蔵の復旧作業に臨んだボランティアたちを、澄川酒造上の澄川社長はこう呼びます。「志や主張が同じ」という意味を持つ言葉には、「東洋美人」を復活させたい、甚大な被害を受けた酒蔵に集った人たちの思いを形にした言葉にも感じられます。 1500人にものぼる「同志」たちの懸命な復旧作業が実を結び、例年よりも2ヶ月遅れて仕込みを再開。崖っぷちからの「奇跡の仕込み」となりました。 「原点」、この年1月に誕生した新種の銘柄です。酒を造れる喜び、酒の誕生を心待ちにしている人たちの存在、災害を経験して再び戻った新たな「はじまり」の思いが名付けられました。 そして5月、世に出た「ippo」シリーズ。「原点から一歩前進した」という意味を込めた銘柄には、先入観にとらわれず、自由に楽しくお酒を楽しんでほしい、という思いか...

「山口地酒の会」特集⑦〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸福の花です。 「東洋美人」の銘柄シリーズ第2弾。それが、「ippo(いっぽ)」です。 アルファベットが使われていたり、ちょっと、日本酒っぽくない印象も抱いてしまうこの銘柄。 実は、醸造販売する澄川酒造場にとって大切な意味が込められています。 ドラマチックなので、2回に分けてみたいと思います。 「東洋美人」のブランドも各地で知られるようになり、銘柄のファンも増やしつつあった2013年の7月。同社に悲劇が襲い掛かります。28日に島根県と山口県を襲った豪雨は、山口県で100mm/1時間、24時間では300mmを超す豪雨となりました。 あくまで目安ですが、いわゆる「ザーザー降り」の場合は、1時間あたり10~20mmほどの量で、「バケツをひっくり返した」の場合は30mm。1時間あたりで50mm以上は災害が起こる可能性が高いそう。ちなみに、警報が出る雨量は各都道府県で判断基準...

「山口地酒の会」特集⑥〜別邸福の花浜松町〜

こんにちは、別邸福の花です。 暖かい日々が続いていますね。まさに春。時に少し夏が入っている気もしますが。 さて、今回書いています「東洋美人」シリーズ。 この記事では、銘柄についての紹介をしたいと思います。やっと、日本酒の記事っぽくなってきましたね。 「地帆紅」 質問です。この漢字はなんと読むでしょうか。 ヒントは、イタリアのヴィネツア出身の商人、マルコポーロが自身の旅について記した本、「東方見聞録」。中国など中央アジアをヨーロッパに紹介したこの書籍で、日本は何て呼ばれていたでしょう。 正解は「ジパング」。ちなみに、当時、日本を中国語で言うとこう発音したのがきっかけだそう。 山田錦を40パーセントまで磨いた大吟醸酒に与えられる名前です。飲み飽きしない旨みにフルーティーな味わいが特徴的。2014年開催の「SAKE COMPETITION 2014」ではFree style un...

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