「山口地酒の会」特集⑧〜別邸福の花浜松町〜
こんにちは、別邸 福の花です。前回に続いて、「ippo」のお話。
「同志」
全国から集まり蔵の復旧作業に臨んだボランティアたちを、澄川酒造上の澄川社長はこう呼びます。「志や主張が同じ」という意味を持つ言葉には、「東洋美人」を復活させたい、甚大な被害を受けた酒蔵に集った人たちの思いを形にした言葉にも感じられます。
1500人にものぼる「同志」たちの懸命な復旧作業が実を結び、例年よりも2ヶ月遅れて仕込みを再開。崖っぷちからの「奇跡の仕込み」となりました。
「原点」、この年1月に誕生した新種の銘柄です。酒を造れる喜び、酒の誕生を心待ちにしている人たちの存在、災害を経験して再び戻った新たな「はじまり」の思いが名付けられました。
そして5月、世に出た「ippo」シリーズ。「原点から一歩前進した」という意味を込めた銘柄には、先入観にとらわれず、自由に楽しくお酒を楽しんでほしい、という思いから特定の名称を与えなかったそうです。
純米大吟醸のお酒で、フルーティな吟醸香、口に含むと甘く丸みのある柔らかな香りが口いっぱいに広がる一杯です。
ちょっと長くなりましたが、「ippo」シリーズ、いかがだったでしょうか。
口にする機会があった時、こんな物語のあるお酒なんだな、って感じてくれたら幸いです。